‘第四章【意匠権】’ の逐条表示
第三十二条 意匠登録出願の日前又はこれと同日の意匠登録出願に係る意匠権のうち登録意匠に類似する意匠に係る部分がその意匠登録出願に係る意匠権と抵触する場合において、その意匠権の存続期間が満了したときは、その満了の際現にその存続期間が満了した意匠権についての専用実施権又はその意匠権若しくは専用実施権についての通常実施権を有する者は、原権利の範囲内において、当該意匠権又はその意匠権の存続期間の満了の際現に存する専用実施権について通常実施権を有する。
2 前項の規定は、意匠登録出願の日前又はこれと同日の出願に係る特許権又は実用新案権がその意匠登録出願に係る意匠権と抵触する場合において、その特許権又は実用新案権の存続期間が満了したときに準用する。
3 当該意匠権者又は専用実施権者は、前二項の規定により通常実施権を有する者から相当の対価を受ける権利を有する。… 全文
(通常実施権の設定の裁定)
第三十三条 意匠権者又は専用実施権者は、その登録意匠又はこれに類似する意匠が第二十六条に規定する場合に該当するときは、同条の他人に対しその登録意匠又はこれに類似する意匠の実施をするための通常実施権又は特許権若しくは実用新案権についての通常実施権の許諾について協議を求めることができる。
2 前項の協議を求められた第二十六条の他人は、その協議を求めた意匠権者又は専用実施権者に対し、これらの者がその協議により通常実施権又は特許権若しくは実用新案権についての通常実施権の許諾を受けて実施をしようとする登録意匠又はこれに類似する意匠の範囲内において、通常実施権の許諾について協議を求めることができる。
3 第一項の協議が成立せず、又は協議をすることができないときは、意匠権者又は専用実施権者は、特許庁長官の裁定を請求することができる。
4 第二項の協議が成立せず、又は協議をすることができない場合において、前項の裁定の請求があつたときは、第二十六条の他人は、第七項において準用する特許法第八十四条 の規定によりその者が答弁書を提出すべき期間として特許庁長官が指定した期間内に限り、特許庁長官の裁定を請求することができる。
5 特許庁長官は、第三項又は前項の場合において、当該通常実施権を設定することが第二十六条の他人又は意匠権者若しくは専用実施権者の利益を不当に害することとなるときは、当該通常実施権を設定すべき旨の裁定をすることができない。
6 特許庁長官は、前項に規定する場合のほか、第四項の場合において、第三項の裁定の請求について通常実施権を設定すべき旨の裁定をしないときは、当該通常実施権を設定すべき旨の裁定をすることができない。
7 特許法第八十四条、第八十四条の二、第八十五条第一項及び第八十六条から第九十一条の二まで(裁定の手続等)の規定は、第三項又は第四項の裁定に準用する。… 全文
(通常実施権の移転等)
第三十四条 通常実施権は、前条第三項若しくは第四項、特許法第九十二条第三項 又は実用新案法第二十二条第三項 の裁定による通常実施権を除き、実施の事業とともにする場合、意匠権者(専用実施権についての通常実施権にあつては、意匠権者及び専用実施権者)の承諾を得た場合及び相続その他の一般承継の場合に限り、移転することができる。
2 通常実施権者は、前条第三項若しくは第四項、特許法第九十二条第三項 又は実用新案法第二十二条第三項 の裁定による通常実施権を除き、意匠権者(専用実施権についての通常実施権にあつては、意匠権者及び専用実施権者)の承諾を得た場合に限り、その通常実施権について質権を設定することができる。
3 前条第三項、特許法第九十二条第三項 又は実用新案法第二十二条第三項 の裁定による通常実施権は、その通常実施権者の当該意匠権、特許権又は実用新案権が実施の事業とともに移転したときはこれらに従つて移転し、その意匠権、特許権又は実用新案権が実施の事業と分離して移転したとき、又は消滅したときは消滅する。
4 前条第四項の裁定による通常実施権は、その通常実施権者の当該意匠権、特許権又は実用新案権に従つて移転し、その意匠権、特許権又は実用新案権が消滅したときは消滅する。… 全文
(質権)
第三十五条 意匠権、専用実施権又は通常実施権を目的として質権を設定したときは、質権者は、契約で別段の定をした場合を除き、当該登録意匠又はこれに類似する意匠の実施をすることができない。
2 特許法第九十六条 (物上代位)の規定は、意匠権、専用実施権又は通常実施権を目的とする質権に準用する。
3 特許法第九十八条第一項第三号 及び第二項 (登録の効果)の規定は、意匠権又は専用実施権を目的とする質権に準用する。… 全文
(登録意匠の範囲等)
第二十四条 登録意匠の範囲は、願書の記載及び願書に添附した図面に記載され又は願書に添附した写真、ひな形若しくは見本により現わされた意匠に基いて定めなければならない。
2 登録意匠とそれ以外の意匠が類似であるか否かの判断は、需要者の視覚を通じて起こさせる美感に基づいて行うものとする。… 全文
第二十五条 登録意匠及びこれに類似する意匠の範囲については、特許庁に対し、判定を求めることができる。
2 特許庁長官は、前項の規定による求があつたときは、三名の審判官を指定して、その判定をさせなければならない。
3 特許法第七十一条第三項 及び第四項 の規定は、第一項の判定に準用する。… 全文
第二十五条の二 特許庁長官は、裁判所から登録意匠及びこれに類似する意匠の範囲について鑑定の嘱託があつたときは、三名の審判官を指定して、その鑑定をさせなければならない。
2 特許法第七十一条の二第二項 の規定は、前項の鑑定の嘱託に準用する。… 全文
(意匠権の設定の登録)
第二十条 意匠権は、設定の登録により発生する。
2 第四十二条第一項第一号の規定による第一年分の登録料の納付があつたときは、意匠権の設定の登録をする。
3 前項の登録があつたときは、次に掲げる事項を意匠公報に掲載しなければならない。
一 意匠権者の氏名又は名称及び住所又は居所
二 意匠登録出願の番号及び年月日
三 登録番号及び設定の登録の年月日
四 願書及び願書に添付した図面、写真、ひな形又は見本の内容
五 前各号に掲げるもののほか、必要な事項
4 第十四条第一項の規定により秘密にすることを請求した意匠に関する前項第四号に掲げる事項は、同項の規定にかかわらず、第十四条第一項の規定により指定した期間の経過後遅滞なく掲載するものとする。… 全文