著作権法
第一章 総則
第一節 通則
(目的)
(定義)
一 著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。
二 著作者 著作物を創作する者をいう。
三 実演 著作物を、演劇的に演じ、舞い、演奏し、歌い、口演し、朗詠し、又はその他の方法により演ずること(これらに類する行為で、著作物を演じないが芸能的な性質を有するものを含む。)をいう。
四 実演家 俳優、舞踊家、演奏家、歌手その他実演を行う者及び実演を指揮し、又は演出する者をいう。
五 レコード 蓄音機用音盤、録音テープその他の物に音を固定したもの(音を専ら影像とともに再生することを目的とするものを除く。)をいう。
六 レコード製作者 レコードに固定されている音を最初に固定した者をいう。
七 商業用レコード 市販の目的をもつて製作されるレコードの複製物をいう。
七の二 公衆送信 公衆によつて直接受信されることを目的として無線通信又は有線電気通信の送信(電気通信設備で、その一の部分の設置の場所が他の部分の設置の場所と同一の構内(その構内が二以上の者の占有に属している場合には、同一の者の占有に属する区域内)にあるものによる送信(プログラムの著作物の送信を除く。)を除く。)を行うことをいう。
八 放送 公衆送信のうち、公衆によつて同一の内容の送信が同時に受信されることを目的として行う無線通信の送信をいう。
九 放送事業者 放送を業として行う者をいう。
九の二 有線放送 公衆送信のうち、公衆によつて同一の内容の送信が同時に受信されることを目的として行う有線電気通信の送信をいう。
九の三 有線放送事業者 有線放送を業として行う者をいう。
九の四 自動公衆送信 公衆送信のうち、公衆からの求めに応じ自動的に行うもの(放送又は有線放送に該当するものを除く。)をいう。
九の五 送信可能化 次のいずれかに掲げる行為により自動公衆送信し得るようにすることをいう。
ロ その公衆送信用記録媒体に情報が記録され、又は当該自動公衆送信装置に情報が入力されている自動公衆送信装置について、公衆の用に供されている電気通信回線への接続(配線、自動公衆送信装置の始動、送受信用プログラムの起動その他の一連の行為により行われる場合には、当該一連の行為のうち最後のものをいう。)を行うこと。
十 映画製作者 映画の著作物の製作に発意と責任を有する者をいう。
十の二 プログラム 電子計算機を機能させて一の結果を得ることができるようにこれに対する指令を組み合わせたものとして表現したものをいう。
十の三 データベース 論文、数値、図形その他の情報の集合物であつて、それらの情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したものをいう。
十一 二次的著作物 著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案することにより創作した著作物をいう。
十二 共同著作物 二人以上の者が共同して創作した著作物であつて、その各人の寄与を分離して個別的に利用することができないものをいう。
十三 録音 音を物に固定し、又はその固定物を増製することをいう。
十四 録画 影像を連続して物に固定し、又はその固定物を増製することをいう。
十五 複製 印刷、写真、複写、録音、録画その他の方法により有形的に再製することをいい、次に掲げるものについては、それぞれ次に掲げる行為を含むものとする。
イ 脚本その他これに類する演劇用の著作物 当該著作物の上演、放送又は有線放送を録音し、又は録画すること。
ロ 建築の著作物 建築に関する図面に従つて建築物を完成すること。
十六 上演 演奏(歌唱を含む。以下同じ。)以外の方法により著作物を演ずることをいう。
十七 上映 著作物(公衆送信されるものを除く。)を映写幕その他の物に映写することをいい、これに伴つて映画の著作物において固定されている音を再生することを含むものとする。
十八 口述 朗読その他の方法により著作物を口頭で伝達すること(実演に該当するものを除く。)をいう。
十九 頒布 有償であるか又は無償であるかを問わず、複製物を公衆に譲渡し、又は貸与することをいい、映画の著作物又は映画の著作物において複製されている著作物にあつては、これらの著作物を公衆に提示することを目的として当該映画の著作物の複製物を譲渡し、又は貸与することを含むものとする。
二十 技術的保護手段 電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によつて認識することができない方法(次号において「電磁的方法」という。)により、第十七条第一項に規定する著作者人格権若しくは著作権又は第八十九条第一項に規定する実演家人格権若しくは同条第六項に規定する著作隣接権(以下この号、第三十条第一項第二号及び第百二十条の二第一号において「著作権等」という。)を侵害する行為の防止又は抑止(著作権等を侵害する行為の結果に著しい障害を生じさせることによる当該行為の抑止をいう。第三十条第一項第二号において同じ。)をする手段(著作権等を有する者の意思に基づくことなく用いられているものを除く。)であつて、著作物、実演、レコード、放送又は有線放送(次号において「著作物等」という。)の利用(著作者又は実演家の同意を得ないで行つたとしたならば著作者人格権又は実演家人格権の侵害となるべき行為を含む。)に際し、これに用いられる機器が特定の反応をする信号を著作物、実演、レコード若しくは放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像とともに記録媒体に記録し、若しくは送信する方式又は当該機器が特定の変換を必要とするよう著作物、実演、レコード若しくは放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像を変換して記録媒体に記録し、若しくは送信する方式によるものをいう。
二十一 権利管理情報 第十七条第一項に規定する著作者人格権若しくは著作権又は第八十九条第一項から第四項までの権利(以下この号において「著作権等」という。)に関する情報であつて、イからハまでのいずれかに該当するもののうち、電磁的方法により著作物、実演、レコード又は放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像とともに記録媒体に記録され、又は送信されるもの(著作物等の利用状況の把握、著作物等の利用の許諾に係る事務処理その他の著作権等の管理(電子計算機によるものに限る。)に用いられていないものを除く。)をいう。
イ 著作物等、著作権等を有する者その他政令で定める事項を特定する情報
ロ 著作物等の利用を許諾する場合の利用方法及び条件に関する情報
ハ 他の情報と照合することによりイ又はロに掲げる事項を特定することができることとなる情報
二十二 国内 この法律の施行地をいう。
二十三 国外 この法律の施行地外の地域をいう。
2 この法律にいう「美術の著作物」には、美術工芸品を含むものとする。
3 この法律にいう「映画の著作物」には、映画の効果に類似する視覚的又は視聴覚的効果を生じさせる方法で表現され、かつ、物に固定されている著作物を含むものとする。
4 この法律にいう「写真の著作物」には、写真の製作方法に類似する方法を用いて表現される著作物を含むものとする。
5 この法律にいう「公衆」には、特定かつ多数の者を含むものとする。
6 この法律にいう「法人」には、法人格を有しない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものを含むものとする。
7 この法律において、「上演」、「演奏」又は「口述」には、著作物の上演、演奏又は口述で録音され、又は録画されたものを再生すること(公衆送信又は上映に該当するものを除く。)及び著作物の上演、演奏又は口述を電気通信設備を用いて伝達すること(公衆送信に該当するものを除く。)を含むものとする。
8 この法律にいう「貸与」には、いずれの名義又は方法をもつてするかを問わず、これと同様の使用の権原を取得させる行為を含むものとする。
9 この法律において、第一項第七号の二、第八号、第九号の二、第九号の四、第九号の五若しくは第十三号から第十九号まで又は前二項に掲げる用語については、それぞれこれらを動詞の語幹として用いる場合を含むものとする。
(著作物の発行)
第三条 著作物は、その性質に応じ公衆の要求を満たすことができる相当程度の部数の複製物が、第二十一条に規定する権利を有する者又はその許諾(第六十三条第一項の規定による利用の許諾をいう。以下この項、次条第一項、第四条の二及び第六十三条を除き、以下この章及び次章において同じ。)を得た者若しくは第七十九条の出版権の設定を受けた者若しくはその複製許諾(第八十条第三項の規定による複製の許諾をいう。第三十七条第三項ただし書及び第三十七条の二ただし書において同じ。)を得た者によつて作成され、頒布された場合(第二十六条、第二十六条の二第一項又は第二十六条の三に規定する権利を有する者の権利を害しない場合に限る。)において、発行されたものとする。
3 著作物がこの法律による保護を受けるとしたならば前二項の権利を有すべき者又はその者からその著作物の利用の承諾を得た者は、それぞれ前二項の権利を有する者又はその許諾を得た者とみなして、前二項の規定を適用する。
(著作物の公表)
第四条 著作物は、発行され、又は第二十二条から第二十五条までに規定する権利を有する者若しくはその許諾(第六十三条第一項の規定による利用の許諾をいう。)を得た者若しくは第七十九条の出版権の設定を受けた者若しくはその公衆送信許諾(第八十条第三項の規定による公衆送信の許諾をいう。次項、第三十七条第三項ただし書及び第三十七条の二ただし書において同じ。)を得た者によつて上演、演奏、上映、公衆送信、口述若しくは展示の方法で公衆に提示された場合(建築の著作物にあつては、第二十一条に規定する権利を有する者又はその許諾(第六十三条第一項の規定による利用の許諾をいう。)を得た者によつて建設された場合を含む。)において、公表されたものとする。
5 著作物がこの法律による保護を受けるとしたならば第一項から第三項までの権利を有すべき者又はその者からその著作物の利用の承諾を得た者は、それぞれ第一項から第三項までの権利を有する者又はその許諾を得た者とみなして、これらの規定を適用する。
(レコードの発行)
第二節 適用範囲
(保護を受ける著作物)
一 日本国民(わが国の法令に基づいて設立された法人及び国内に主たる事務所を有する法人を含む。以下同じ。)の著作物
二 最初に国内において発行された著作物(最初に国外において発行されたが、その発行の日から三十日以内に国内において発行されたものを含む。)
三 前二号に掲げるもののほか、条約によりわが国が保護の義務を負う著作物
(保護を受ける実演)
一 国内において行なわれる実演
二 次条第一号又は第二号に掲げるレコードに固定された実演
五 前各号に掲げるもののほか、次のいずれかに掲げる実演
ロ 次条第三号に掲げるレコードに固定された実演
六 前各号に掲げるもののほか、次のいずれかに掲げる実演
ロ 次条第四号に掲げるレコードに固定された実演
(保護を受けるレコード)
一 日本国民をレコード製作者とするレコード
二 レコードでこれに固定されている音が最初に国内において固定されたもの
五 前各号に掲げるもののほか、次のいずれかに掲げるレコード
イ 世界貿易機関の加盟国の国民(当該加盟国の法令に基づいて設立された法人及び当該加盟国に主たる事務所を有する法人を含む。以下同じ。)をレコード製作者とするレコード
ロ レコードでこれに固定されている音が最初に世界貿易機関の加盟国において固定されたもの
(保護を受ける放送)
第二章 著作者の権利
第一節 著作物
(著作物の例示)
一 小説、脚本、論文、講演その他の言語の著作物
二 音楽の著作物
三 舞踊又は無言劇の著作物
四 絵画、版画、彫刻その他の美術の著作物
五 建築の著作物
六 地図又は学術的な性質を有する図面、図表、模型その他の図形の著作物
七 映画の著作物
八 写真の著作物
九 プログラムの著作物
2 事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道は、前項第一号に掲げる著作物に該当しない。
3 第一項第九号に掲げる著作物に対するこの法律による保護は、その著作物を作成するために用いるプログラム言語、規約及び解法に及ばない。この場合において、これらの用語の意義は、次の各号に定めるところによる。
一 プログラム言語 プログラムを表現する手段としての文字その他の記号及びその体系をいう。
二 規約 特定のプログラムにおける前号のプログラム言語の用法についての特別の約束をいう。
三 解法 プログラムにおける電子計算機に対する指令の組合せの方法をいう。
(編集著作物)
2 前項の規定は、同項の編集物の部分を構成する著作物の著作者の権利に影響を及ぼさない。
(データベースの著作物)
2 前項の規定は、同項のデータベースの部分を構成する著作物の著作者の権利に影響を及ぼさない。
(権利の目的とならない著作物)
一 憲法その他の法令
四 前三号に掲げるものの翻訳物及び編集物で、国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が作成するもの
第二節 著作者
(著作者の推定)
(職務上作成する著作物の著作者)
第十五条 法人その他使用者(以下この条において「法人等」という。)の発意に基づきその法人等の業務に従事する者が職務上作成する著作物(プログラムの著作物を除く。)で、その法人等が自己の著作の名義の下に公表するものの著作者は、その作成の時における契約、勤務規則その他に別段の定めがない限り、その法人等とする。
2 法人等の発意に基づきその法人等の業務に従事する者が職務上作成するプログラムの著作物の著作者は、その作成の時における契約、勤務規則その他に別段の定めがない限り、その法人等とする。
第三節 権利の内容
第一款 総則
第二款 著作者人格権
(公表権)
2 著作者は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に掲げる行為について同意したものと推定する。
一 その著作物でまだ公表されていないものの著作権を譲渡した場合 当該著作物をその著作権の行使により公衆に提供し、又は提示すること。
二 その美術の著作物又は写真の著作物でまだ公表されていないものの原作品を譲渡した場合 これらの著作物をその原作品による展示の方法で公衆に提示すること。
3 著作者は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に掲げる行為について同意したものとみなす。
一 その著作物でまだ公表されていないものを行政機関(行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年法律第四十二号。以下「行政機関情報公開法」という。)第二条第一項に規定する行政機関をいう。以下同じ。)に提供した場合(行政機関情報公開法第九条第一項の規定による開示する旨の決定の時までに別段の意思表示をした場合を除く。) 行政機関情報公開法の規定により行政機関の長が当該著作物を公衆に提供し、又は提示すること(当該著作物に係る歴史公文書等(公文書等の管理に関する法律(平成二十一年法律第六十六号。以下「公文書管理法」という。)第二条第六項に規定する歴史公文書等をいう。以下同じ。)が行政機関の長から公文書管理法第八条第一項の規定により国立公文書館等(公文書管理法第二条第三項に規定する国立公文書館等をいう。以下同じ。)に移管された場合(公文書管理法第十六条第一項の規定による利用をさせる旨の決定の時までに当該著作物の著作者が別段の意思表示をした場合を除く。)にあつては、公文書管理法第十六条第一項の規定により国立公文書館等の長(公文書管理法第十五条第一項に規定する国立公文書館等の長をいう。以下同じ。)が当該著作物を公衆に提供し、又は提示することを含む。)。
二 その著作物でまだ公表されていないものを独立行政法人等(独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成十三年法律第百四十号。以下「独立行政法人等情報公開法」という。)第二条第一項に規定する独立行政法人等をいう。以下同じ。)に提供した場合(独立行政法人等情報公開法第九条第一項の規定による開示する旨の決定の時までに別段の意思表示をした場合を除く。) 独立行政法人等情報公開法の規定により当該独立行政法人等が当該著作物を公衆に提供し、又は提示すること(当該著作物に係る歴史公文書等が当該独立行政法人等から公文書管理法第十一条第四項の規定により国立公文書館等に移管された場合(公文書管理法第十六条第一項の規定による利用をさせる旨の決定の時までに当該著作物の著作者が別段の意思表示をした場合を除く。)にあつては、公文書管理法第十六条第一項の規定により国立公文書館等の長が当該著作物を公衆に提供し、又は提示することを含む。)。
三 その著作物でまだ公表されていないものを地方公共団体又は地方独立行政法人に提供した場合(開示する旨の決定の時までに別段の意思表示をした場合を除く。) 情報公開条例(地方公共団体又は地方独立行政法人の保有する情報の公開を請求する住民等の権利について定める当該地方公共団体の条例をいう。以下同じ。)の規定により当該地方公共団体の機関又は地方独立行政法人が当該著作物を公衆に提供し、又は提示すること(当該著作物に係る歴史公文書等が当該地方公共団体又は地方独立行政法人から公文書管理条例(地方公共団体又は地方独立行政法人の保有する歴史公文書等の適切な保存及び利用について定める当該地方公共団体の条例をいう。以下同じ。)に基づき地方公文書館等(歴史公文書等の適切な保存及び利用を図る施設として公文書管理条例が定める施設をいう。以下同じ。)に移管された場合(公文書管理条例の規定(公文書管理法第十六条第一項の規定に相当する規定に限る。以下この条において同じ。)による利用をさせる旨の決定の時までに当該著作物の著作者が別段の意思表示をした場合を除く。)にあつては、公文書管理条例の規定により地方公文書館等の長(地方公文書館等が地方公共団体の施設である場合にあつてはその属する地方公共団体の長をいい、地方公文書館等が地方独立行政法人の施設である場合にあつてはその施設を設置した地方独立行政法人をいう。以下同じ。)が当該著作物を公衆に提供し、又は提示することを含む。)。
五 その著作物でまだ公表されていないものを地方公文書館等に提供した場合(公文書管理条例の規定による利用をさせる旨の決定の時までに別段の意思表示をした場合を除く。) 公文書管理条例の規定により地方公文書館等の長が当該著作物を公衆に提供し、又は提示すること。
4 第一項の規定は、次の各号のいずれかに該当するときは、適用しない。
(氏名表示権)
2 著作物を利用する者は、その著作者の別段の意思表示がない限り、その著作物につきすでに著作者が表示しているところに従つて著作者名を表示することができる。
3 著作者名の表示は、著作物の利用の目的及び態様に照らし著作者が創作者であることを主張する利益を害するおそれがないと認められるときは、公正な慣行に反しない限り、省略することができる。
4 第一項の規定は、次の各号のいずれかに該当するときは、適用しない。
一 行政機関情報公開法、独立行政法人等情報公開法又は情報公開条例の規定により行政機関の長、独立行政法人等又は地方公共団体の機関若しくは地方独立行政法人が著作物を公衆に提供し、又は提示する場合において、当該著作物につき既にその著作者が表示しているところに従つて著作者名を表示するとき。
(同一性保持権)
2 前項の規定は、次の各号のいずれかに該当する改変については、適用しない。
二 建築物の増築、改築、修繕又は模様替えによる改変
三 特定の電子計算機においては利用し得ないプログラムの著作物を当該電子計算機において利用し得るようにするため、又はプログラムの著作物を電子計算機においてより効果的に利用し得るようにするために必要な改変
四 前三号に掲げるもののほか、著作物の性質並びにその利用の目的及び態様に照らしやむを得ないと認められる改変
第三款 著作権に含まれる権利の種類
(公衆送信権等)
2 著作者は、公衆送信されるその著作物を受信装置を用いて公に伝達する権利を専有する。
(頒布権)
2 著作者は、映画の著作物において複製されているその著作物を当該映画の著作物の複製物により頒布する権利を専有する。
(譲渡権)
2 前項の規定は、著作物の原作品又は複製物で次の各号のいずれかに該当するものの譲渡による場合には、適用しない。
一 前項に規定する権利を有する者又はその許諾を得た者により公衆に譲渡された著作物の原作品又は複製物
四 前項に規定する権利を有する者又はその承諾を得た者により特定かつ少数の者に譲渡された著作物の原作品又は複製物
五 国外において、前項に規定する権利に相当する権利を害することなく、又は同項に規定する権利に相当する権利を有する者若しくはその承諾を得た者により譲渡された著作物の原作品又は複製物
(貸与権)
第四款 映画の著作物の著作権の帰属
一 その著作物を放送する権利及び放送されるその著作物について、有線放送し、自動公衆送信(送信可能化のうち、公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置に情報を入力することによるものを含む。)を行い、又は受信装置を用いて公に伝達する権利
二 その著作物を複製し、又はその複製物により放送事業者に頒布する権利
第五款 著作権の制限
(私的使用のための複製)
第三十条 著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。
一 公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器(複製の機能を有し、これに関する装置の全部又は主要な部分が自動化されている機器をいう。)を用いて複製する場合
二 技術的保護手段の回避(第二条第一項第二十号に規定する信号の除去若しくは改変(記録又は送信の方式の変換に伴う技術的な制約による除去又は改変を除く。)を行うこと又は同号に規定する特定の変換を必要とするよう変換された著作物、実演、レコード若しくは放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像の復元(著作権等を有する者の意思に基づいて行われるものを除く。)を行うことにより、当該技術的保護手段によつて防止される行為を可能とし、又は当該技術的保護手段によつて抑止される行為の結果に障害を生じないようにすることをいう。第百二十条の二第一号及び第二号において同じ。)により可能となり、又はその結果に障害が生じないようになつた複製を、その事実を知りながら行う場合
三 著作権を侵害する自動公衆送信(国外で行われる自動公衆送信であつて、国内で行われたとしたならば著作権の侵害となるべきものを含む。)を受信して行うデジタル方式の録音又は録画を、その事実を知りながら行う場合
(付随対象著作物の利用)
2 前項の規定により複製又は翻案された付随対象著作物は、同項に規定する写真等著作物の利用に伴つて利用することができる。ただし、当該付随対象著作物の種類及び用途並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
(検討の過程における利用)
(技術の開発又は実用化のための試験の用に供するための利用)
(図書館等における複製等)
第三十一条 国立国会図書館及び図書、記録その他の資料を公衆の利用に供することを目的とする図書館その他の施設で政令で定めるもの(以下この項及び第三項において「図書館等」という。)においては、次に掲げる場合には、その営利を目的としない事業として、図書館等の図書、記録その他の資料(以下この条において「図書館資料」という。)を用いて著作物を複製することができる。
一 図書館等の利用者の求めに応じ、その調査研究の用に供するために、公表された著作物の一部分(発行後相当期間を経過した定期刊行物に掲載された個々の著作物にあつては、その全部。第三項において同じ。)の複製物を一人につき一部提供する場合
二 図書館資料の保存のため必要がある場合
三 他の図書館等の求めに応じ、絶版その他これに準ずる理由により一般に入手することが困難な図書館資料(以下この条において「絶版等資料」という。)の複製物を提供する場合
2 前項各号に掲げる場合のほか、国立国会図書館においては、図書館資料の原本を公衆の利用に供することによるその滅失、損傷若しくは汚損を避けるために当該原本に代えて公衆の利用に供するため、又は絶版等資料に係る著作物を次項の規定により自動公衆送信(送信可能化を含む。同項において同じ。)に用いるため、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)を作成する場合には、必要と認められる限度において、当該図書館資料に係る著作物を記録媒体に記録することができる。
3 国立国会図書館は、絶版等資料に係る著作物について、図書館等において公衆に提示することを目的とする場合には、前項の規定により記録媒体に記録された当該著作物の複製物を用いて自動公衆送信を行うことができる。この場合において、当該図書館等においては、その営利を目的としない事業として、当該図書館等の利用者の求めに応じ、その調査研究の用に供するために、自動公衆送信される当該著作物の一部分の複製物を作成し、当該複製物を一人につき一部提供することができる。
(引用)
2 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が一般に周知させることを目的として作成し、その著作の名義の下に公表する広報資料、調査統計資料、報告書その他これらに類する著作物は、説明の材料として新聞紙、雑誌その他の刊行物に転載することができる。ただし、これを禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない。
(教科用図書等への掲載)
2 前項の規定により著作物を教科用図書に掲載する者は、その旨を著作者に通知するとともに、同項の規定の趣旨、著作物の種類及び用途、通常の使用料の額その他の事情を考慮して文化庁長官が毎年定める額の補償金を著作権者に支払わなければならない。
3 文化庁長官は、前項の定めをしたときは、これを官報で告示する。
4 前三項の規定は、高等学校(中等教育学校の後期課程を含む。)の通信教育用学習図書及び教科用図書に係る教師用指導書(当該教科用図書を発行する者の発行に係るものに限る。)への著作物の掲載について準用する。
(教科用拡大図書等の作成のための複製等)
2 前項の規定により複製する教科用の図書その他の複製物(点字により複製するものを除き、当該教科用図書に掲載された著作物の全部又は相当部分を複製するものに限る。以下この項において「教科用拡大図書等」という。)を作成しようとする者は、あらかじめ当該教科用図書を発行する者にその旨を通知するとともに、営利を目的として当該教科用拡大図書等を頒布する場合にあつては、前条第二項に規定する補償金の額に準じて文化庁長官が毎年定める額の補償金を当該著作物の著作権者に支払わなければならない。
3 文化庁長官は、前項の定めをしたときは、これを官報で告示する。
(学校教育番組の放送等)
第三十四条 公表された著作物は、学校教育の目的上必要と認められる限度において、学校教育に関する法令の定める教育課程の基準に準拠した学校向けの放送番組又は有線放送番組において放送し、若しくは有線放送し、又は当該放送を受信して同時に専ら当該放送に係る放送対象地域(放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第九十一条第二項第二号に規定する放送対象地域をいい、これが定められていない放送にあつては、電波法(昭和二十五年法律第百三十一号)第十四条第三項第二号に規定する放送区域をいう。以下同じ。)において受信されることを目的として自動公衆送信(送信可能化のうち、公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置に情報を入力することによるものを含む。)を行い、及び当該放送番組用又は有線放送番組用の教材に掲載することができる。
2 前項の規定により著作物を利用する者は、その旨を著作者に通知するとともに、相当な額の補償金を著作権者に支払わなければならない。
(学校その他の教育機関における複製等)
第三十五条 学校その他の教育機関(営利を目的として設置されているものを除く。)において教育を担任する者及び授業を受ける者は、その授業の過程における使用に供することを目的とする場合には、必要と認められる限度において、公表された著作物を複製することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びにその複製の部数及び態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
(視覚障害者等のための複製等)
2 公表された著作物については、電子計算機を用いて点字を処理する方式により、記録媒体に記録し、又は公衆送信(放送又は有線放送を除き、自動公衆送信の場合にあつては送信可能化を含む。)を行うことができる。
3 視覚障害者その他視覚による表現の認識に障害のある者(以下この項及び第百二条第四項において「視覚障害者等」という。)の福祉に関する事業を行う者で政令で定めるものは、公表された著作物であつて、視覚によりその表現が認識される方式(視覚及び他の知覚により認識される方式を含む。)により公衆に提供され、又は提示されているもの(当該著作物以外の著作物で、当該著作物において複製されているものその他当該著作物と一体として公衆に提供され、又は提示されているものを含む。以下この項及び同条第四項において「視覚著作物」という。)について、専ら視覚障害者等で当該方式によつては当該視覚著作物を利用することが困難な者の用に供するために必要と認められる限度において、当該視覚著作物に係る文字を音声にすることその他当該視覚障害者等が利用するために必要な方式により、複製し、又は自動公衆送信(送信可能化を含む。)を行うことができる。ただし、当該視覚著作物について、著作権者又はその許諾を得た者若しくは第七十九条の出版権の設定を受けた者若しくはその複製許諾若しくは公衆送信許諾を得た者により、当該方式による公衆への提供又は提示が行われている場合は、この限りでない。
(聴覚障害者等のための複製等)
第三十七条の二 聴覚障害者その他聴覚による表現の認識に障害のある者(以下この条及び次条第五項において「聴覚障害者等」という。)の福祉に関する事業を行う者で次の各号に掲げる利用の区分に応じて政令で定めるものは、公表された著作物であつて、聴覚によりその表現が認識される方式(聴覚及び他の知覚により認識される方式を含む。)により公衆に提供され、又は提示されているもの(当該著作物以外の著作物で、当該著作物において複製されているものその他当該著作物と一体として公衆に提供され、又は提示されているものを含む。以下この条において「聴覚著作物」という。)について、専ら聴覚障害者等で当該方式によつては当該聴覚著作物を利用することが困難な者の用に供するために必要と認められる限度において、それぞれ当該各号に掲げる利用を行うことができる。ただし、当該聴覚著作物について、著作権者又はその許諾を得た者若しくは第七十九条の出版権の設定を受けた者若しくはその複製許諾若しくは公衆送信許諾を得た者により、当該聴覚障害者等が利用するために必要な方式による公衆への提供又は提示が行われている場合は、この限りでない。
一 当該聴覚著作物に係る音声について、これを文字にすることその他当該聴覚障害者等が利用するために必要な方式により、複製し、又は自動公衆送信(送信可能化を含む。)を行うこと。
二 専ら当該聴覚障害者等向けの貸出しの用に供するため、複製すること(当該聴覚著作物に係る音声を文字にすることその他当該聴覚障害者等が利用するために必要な方式による当該音声の複製と併せて行うものに限る。)。
(営利を目的としない上演等)
2 放送される著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金を受けない場合には、有線放送し、又は専ら当該放送に係る放送対象地域において受信されることを目的として自動公衆送信(送信可能化のうち、公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置に情報を入力することによるものを含む。)を行うことができる。
3 放送され、又は有線放送される著作物(放送される著作物が自動公衆送信される場合の当該著作物を含む。)は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金を受けない場合には、受信装置を用いて公に伝達することができる。通常の家庭用受信装置を用いてする場合も、同様とする。
4 公表された著作物(映画の著作物を除く。)は、営利を目的とせず、かつ、その複製物の貸与を受ける者から料金を受けない場合には、その複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を除く。)の貸与により公衆に提供することができる。
5 映画フィルムその他の視聴覚資料を公衆の利用に供することを目的とする視聴覚教育施設その他の施設(営利を目的として設置されているものを除く。)で政令で定めるもの及び聴覚障害者等の福祉に関する事業を行う者で前条の政令で定めるもの(同条第二号に係るものに限り、営利を目的として当該事業を行うものを除く。)は、公表された映画の著作物を、その複製物の貸与を受ける者から料金を受けない場合には、その複製物の貸与により頒布することができる。この場合において、当該頒布を行う者は、当該映画の著作物又は当該映画の著作物において複製されている著作物につき第二十六条に規定する権利を有する者(第二十八条の規定により第二十六条に規定する権利と同一の権利を有する者を含む。)に相当な額の補償金を支払わなければならない。
(時事問題に関する論説の転載等)
2 前項の規定により放送され、若しくは有線放送され、又は自動公衆送信される論説は、受信装置を用いて公に伝達することができる。
(政治上の演説等の利用)
2 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人において行われた公開の演説又は陳述は、前項の規定によるものを除き、報道の目的上正当と認められる場合には、新聞紙若しくは雑誌に掲載し、又は放送し、若しくは有線放送し、若しくは当該放送を受信して同時に専ら当該放送に係る放送対象地域において受信されることを目的として自動公衆送信(送信可能化のうち、公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置に情報を入力することによるものを含む。)を行うことができる。
3 前項の規定により放送され、若しくは有線放送され、又は自動公衆送信される演説又は陳述は、受信装置を用いて公に伝達することができる。
(時事の事件の報道のための利用)
(裁判手続等における複製)
第四十二条 著作物は、裁判手続のために必要と認められる場合及び立法又は行政の目的のために内部資料として必要と認められる場合には、その必要と認められる限度において、複製することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びにその複製の部数及び態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
2 次に掲げる手続のために必要と認められる場合についても、前項と同様とする。
(行政機関情報公開法等による開示のための利用)
第四十二条の二 行政機関の長、独立行政法人等又は地方公共団体の機関若しくは地方独立行政法人は、行政機関情報公開法、独立行政法人等情報公開法又は情報公開条例の規定により著作物を公衆に提供し、又は提示することを目的とする場合には、それぞれ行政機関情報公開法第十四条第一項(同項の規定に基づく政令の規定を含む。)に規定する方法、独立行政法人等情報公開法第十五条第一項に規定する方法(同項の規定に基づき当該独立行政法人等が定める方法(行政機関情報公開法第十四条第一項の規定に基づく政令で定める方法以外のものを除く。)を含む。)又は情報公開条例で定める方法(行政機関情報公開法第十四条第一項(同項の規定に基づく政令の規定を含む。)に規定する方法以外のものを除く。)により開示するために必要と認められる限度において、当該著作物を利用することができる。
(公文書管理法等による保存等のための利用)
(国立国会図書館法によるインターネット資料及びオンライン資料の収集のための複製)
(翻訳、翻案等による利用)
(放送事業者等による一時的固定)
(美術の著作物等の原作品の所有者による展示)
2 前項の規定は、美術の著作物の原作品を街路、公園その他一般公衆に開放されている屋外の場所又は建造物の外壁その他一般公衆の見やすい屋外の場所に恒常的に設置する場合には、適用しない。
(公開の美術の著作物等の利用)
(美術の著作物等の展示に伴う複製)
(美術の著作物等の譲渡等の申出に伴う複製等)
第四十七条の二 美術の著作物又は写真の著作物の原作品又は複製物の所有者その他のこれらの譲渡又は貸与の権原を有する者が、第二十六条の二第一項又は第二十六条の三に規定する権利を害することなく、その原作品又は複製物を譲渡し、又は貸与しようとする場合には、当該権原を有する者又はその委託を受けた者は、その申出の用に供するため、これらの著作物について、複製又は公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。)(当該複製により作成される複製物を用いて行うこれらの著作物の複製又は当該公衆送信を受信して行うこれらの著作物の複製を防止し、又は抑止するための措置その他の著作権者の利益を不当に害しないための措置として政令で定める措置を講じて行うものに限る。)を行うことができる。
(プログラムの著作物の複製物の所有者による複製等)
2 前項の複製物の所有者が当該複製物(同項の規定により作成された複製物を含む。)のいずれかについて滅失以外の事由により所有権を有しなくなつた後には、その者は、当該著作権者の別段の意思表示がない限り、その他の複製物を保存してはならない。
(保守、修理等のための一時的複製)
2 記録媒体内蔵複製機器に製造上の欠陥又は販売に至るまでの過程において生じた故障があるためこれを同種の機器と交換する場合には、その内蔵記録媒体に記録されている著作物は、必要と認められる限度において、当該内蔵記録媒体以外の記録媒体に一時的に記録し、及び当該同種の機器の内蔵記録媒体に記録することができる。
3 前二項の規定により内蔵記録媒体以外の記録媒体に著作物を記録した者は、これらの規定による保守若しくは修理又は交換の後には、当該記録媒体に記録された当該著作物の複製物を保存してはならない。
(送信の障害の防止等のための複製)
第四十七条の五 自動公衆送信装置等(自動公衆送信装置及び特定送信装置(電気通信回線に接続することにより、その記録媒体のうち特定送信(自動公衆送信以外の無線通信又は有線電気通信の送信で政令で定めるものをいう。以下この項において同じ。)の用に供する部分(第一号において「特定送信用記録媒体」という。)に記録され、又は当該装置に入力される情報の特定送信をする機能を有する装置をいう。)をいう。以下この条において同じ。)を他人の自動公衆送信等(自動公衆送信及び特定送信をいう。以下この条において同じ。)の用に供することを業として行う者は、次の各号に掲げる目的上必要と認められる限度において、当該自動公衆送信装置等により送信可能化等(送信可能化及び特定送信をし得るようにするための行為で政令で定めるものをいう。以下この条において同じ。)がされた著作物を、当該各号に定める記録媒体に記録することができる。
一 自動公衆送信等の求めが当該自動公衆送信装置等に集中することによる送信の遅滞又は当該自動公衆送信装置等の故障による送信の障害を防止すること 当該送信可能化等に係る公衆送信用記録媒体等(公衆送信用記録媒体及び特定送信用記録媒体をいう。次号において同じ。)以外の記録媒体であつて、当該送信可能化等に係る自動公衆送信等の用に供するためのもの
二 当該送信可能化等に係る公衆送信用記録媒体等に記録された当該著作物の複製物が滅失し、又は毀き
損した場合の復旧の用に供すること 当該公衆送信用記録媒体等以外の記録媒体(公衆送信用記録媒体等であるものを除く。)
損した場合の復旧の用に供すること 当該公衆送信用記録媒体等以外の記録媒体(公衆送信用記録媒体等であるものを除く。)
2 自動公衆送信装置等を他人の自動公衆送信等の用に供することを業として行う者は、送信可能化等がされた著作物(当該自動公衆送信装置等により送信可能化等がされたものを除く。)の自動公衆送信等を中継するための送信を行う場合には、当該送信後に行われる当該著作物の自動公衆送信等を中継するための送信を効率的に行うために必要と認められる限度において、当該著作物を当該自動公衆送信装置等の記録媒体のうち当該送信の用に供する部分に記録することができる。
(送信可能化された情報の送信元識別符号の検索等のための複製等)
第四十七条の六 公衆からの求めに応じ、送信可能化された情報に係る送信元識別符号(自動公衆送信の送信元を識別するための文字、番号、記号その他の符号をいう。以下この条において同じ。)を検索し、及びその結果を提供することを業として行う者(当該事業の一部を行う者を含み、送信可能化された情報の収集、整理及び提供を政令で定める基準に従つて行う者に限る。)は、当該検索及びその結果の提供を行うために必要と認められる限度において、送信可能化された著作物(当該著作物に係る自動公衆送信について受信者を識別するための情報の入力を求めることその他の受信を制限するための手段が講じられている場合にあつては、当該自動公衆送信の受信について当該手段を講じた者の承諾を得たものに限る。)について、記録媒体への記録又は翻案(これにより創作した二次的著作物の記録を含む。)を行い、及び公衆からの求めに応じ、当該求めに関する送信可能化された情報に係る送信元識別符号の提供と併せて、当該記録媒体に記録された当該著作物の複製物(当該著作物に係る当該二次的著作物の複製物を含む。以下この条において「検索結果提供用記録」という。)のうち当該送信元識別符号に係るものを用いて自動公衆送信(送信可能化を含む。)を行うことができる。ただし、当該検索結果提供用記録に係る著作物に係る送信可能化が著作権を侵害するものであること(国外で行われた送信可能化にあつては、国内で行われたとしたならば著作権の侵害となるべきものであること)を知つたときは、その後は、当該検索結果提供用記録を用いた自動公衆送信(送信可能化を含む。)を行つてはならない。
(情報解析のための複製等)
(電子計算機における著作物の利用に伴う複製)
第四十七条の八 電子計算機において、著作物を当該著作物の複製物を用いて利用する場合又は無線通信若しくは有線電気通信の送信がされる著作物を当該送信を受信して利用する場合(これらの利用又は当該複製物の使用が著作権を侵害しない場合に限る。)には、当該著作物は、これらの利用のための当該電子計算機による情報処理の過程において、当該情報処理を円滑かつ効率的に行うために必要と認められる限度で、当該電子計算機の記録媒体に記録することができる。
(情報通信技術を利用した情報提供の準備に必要な情報処理のための利用)
(複製権の制限により作成された複製物の譲渡)
第四十七条の十 第三十一条第一項(第一号に係る部分に限る。以下この条において同じ。)若しくは第三項後段、第三十二条、第三十三条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)、第三十三条の二第一項若しくは第四項、第三十四条第一項、第三十五条第一項、第三十六条第一項、第三十七条、第三十七条の二(第二号を除く。以下この条において同じ。)、第三十九条第一項、第四十条第一項若しくは第二項、第四十一条から第四十二条の二まで、第四十二条の三第二項又は第四十六条から第四十七条の二までの規定により複製することができる著作物は、これらの規定の適用を受けて作成された複製物(第三十一条第一項若しくは第三項後段、第三十五条第一項、第三十六条第一項又は第四十二条の規定に係る場合にあつては、映画の著作物の複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を含む。以下この条において同じ。)を除く。)の譲渡により公衆に提供することができる。ただし、第三十一条第一項若しくは第三項後段、第十三条の二第一項若しくは第四項、第三十五条第一項、第三十七条第三項、第三十七条の二、第四十一条から第四十二条の二まで、第四十二条の三第二項又は第四十七条の二の規定の適用を受けて作成された著作物の複製物(第十一条第一項若しくは第三項後段、第十五条第一項又は第四十二条の規定に係る場合にあつては、映画の著作物の複製物を除く。)を、第三十一条第一項若しくは第三項後段、第三十三条の二第一項若しくは第四項、第三十五条第一項、第三十七条第三項、第三十七条の二、第四十一条から第四十二条の二まで、第四十二条の三第二項又は第四十七条の二に定める目的以外の目的のために公衆に譲渡する場合は、この限りでない。
(出所の明示)
2 前項の出所の明示に当たつては、これに伴い著作者名が明らかになる場合及び当該著作物が無名のものである場合を除き、当該著作物につき表示されている著作者名を示さなければならない。
第四節 保護期間
(無名又は変名の著作物の保護期間)
(団体名義の著作物の保護期間)
2 前項の規定は、法人その他の団体が著作の名義を有する著作物の著作者である個人が同項の期間内にその実名又は周知の変名を著作者名として表示してその著作物を公表したときは、適用しない。
(映画の著作物の保護期間)
3 前二条の規定は、映画の著作物の著作権については、適用しない。
(継続的刊行物等の公表の時)
2 一部分ずつを逐次公表して完成する著作物については、継続すべき部分が直近の公表の時から三年を経過しても公表されないときは、すでに公表されたもののうちの最終の部分をもつて前項の最終部分とみなす。
(保護期間の計算方法)
第五節 著作者人格権の一身専属性等
第七節 権利の行使
(著作物の利用の許諾)
2 前項の許諾を得た者は、その許諾に係る利用方法及び条件の範囲内において、その許諾に係る著作物を利用することができる。
3 第一項の許諾に係る著作物を利用する権利は、著作権者の承諾を得ない限り、譲渡することができない。
4 著作物の放送又は有線放送についての第一項の許諾は、契約に別段の定めがない限り、当該著作物の録音又は録画の許諾を含まないものとする。
(共同著作物の著作者人格権の行使)
2 共同著作物の各著作者は、信義に反して前項の合意の成立を妨げることができない。
3 共同著作物の著作者は、そのうちからその著作者人格権を代表して行使する者を定めることができる。
4 前項の権利を代表して行使する者の代表権に加えられた制限は、善意の第三者に対抗することができない。
(共有著作権の行使)
第六十五条 共同著作物の著作権その他共有に係る著作権(以下この条において「共有著作権」という。)については、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その持分を譲渡し、又は質権の目的とすることができない。
2 共有著作権は、その共有者全員の合意によらなければ、行使することができない。
3 前二項の場合において、各共有者は、正当な理由がない限り、第一項の同意を拒み、又は前項の合意の成立を妨げることができない。
4 前条第三項及び第四項の規定は、共有著作権の行使について準用する。
第八節 裁定による著作物の利用
(著作権者不明等の場合における著作物の利用)
3 第一項の規定により作成した著作物の複製物には、同項の裁定に係る複製物である旨及びその裁定のあつた年月日を表示しなければならない。
(裁定申請中の著作物の利用)
2 前項の規定により作成した著作物の複製物には、同項の規定の適用を受けて作成された複製物である旨及び裁定の申請をした年月日を表示しなければならない。
3 第一項の規定により著作物を利用する者(以下「申請中利用者」という。)が裁定を受けたときは、前条第一項の規定にかかわらず、同項の補償金のうち第一項の規定により供託された担保金の額に相当する額(当該担保金の額が当該補償金の額を超えるときは、当該額)については、同条第一項の規定による供託を要しない。
6 前三項の場合において、著作権者は、前条第一項又は前二項の補償金を受ける権利に関し、第一項の規定により供託された担保金から弁済を受けることができる。
7 第一項の規定により担保金を供託した者は、当該担保金の額が前項の規定により著作権者が弁済を受けることができる額を超えることとなつたときは、政令で定めるところにより、その全部又は一部を取り戻すことができる。
(著作物の放送)
第六十八条 公表された著作物を放送しようとする放送事業者は、その著作権者に対し放送の許諾につき協議を求めたがその協議が成立せず、又はその協議をすることができないときは、文化庁長官の裁定を受け、かつ、通常の使用料の額に相当するものとして文化庁長官が定める額の補償金を著作権者に支払つて、その著作物を放送することができる。
(商業用レコードへの録音等)
第六十九条 商業用レコードが最初に国内において販売され、かつ、その最初の販売の日から三年を経過した場合において、当該商業用レコードに著作権者の許諾を得て録音されている音楽の著作物を録音して他の商業用レコードを製作しようとする者は、その著作権者に対し録音又は譲渡による公衆への提供の許諾につき協議を求めたが、その協議が成立せず、又はその協議をすることができないときは、文化庁長官の裁定を受け、かつ、通常の使用料の額に相当するものとして文化庁長官が定める額の補償金を著作権者に支払つて、当該録音又は譲渡による公衆への提供をすることができる。
第九節 補償金等
(文化審議会への諮問)
(補償金の額についての訴え)
2 前項の訴えにおいては、訴えを提起する者が著作物を利用する者であるときは著作権者を、著作権者であるときは著作物を利用する者を、それぞれ被告としなければならない。
(補償金等の供託)
第七十四条 第三十三条第二項(同条第四項において準用する場合を含む。)、第三十三条の二第二項、第六十八条第一項又は第六十九条の補償金を支払うべき者は、次に掲げる場合には、その補償金の支払に代えてその補償金を供託しなければならない。
一 著作権者が補償金の受領を拒み、又は補償金を受領することができない場合
二 その者が過失がなくて著作権者を確知することができない場合
2 前項第三号の場合において、著作権者の請求があるときは、当該補償金を支払うべき者は、自己の見積金額を支払い、裁定に係る補償金の額との差額を供託しなければならない。
4 前項の供託をした者は、すみやかにその旨を著作権者に通知しなければならない。ただし、著作権者の不明その他の理由により著作権者に通知することができない場合は、この限りでない。
第三章 出版権
(出版権の設定)
第七十九条 第二十一条又は第二十三条第一項に規定する権利を有する者(以下この章において「複製権等保有者」という。)は、その著作物について、文書若しくは図画として出版すること(電子計算機を用いてその映像面に文書又は図画として表示されるようにする方式により記録媒体に記録し、当該記録媒体に記録された当該著作物の複製物により頒布することを含む。次条第二項及び第八十一条第一号において「出版行為」という。)又は当該方式により記録媒体に記録された当該著作物の複製物を用いて公衆送信(放送又は有線放送を除き、自動公衆送信の場合にあつては送信可能化を含む。以下この章において同じ。)を行うこと(次条第二項及び第八十一条第二号において「公衆送信行為」という。)を引き受ける者に対し、出版権を設定することができる。
(出版権の内容)
一 頒布の目的をもつて、原作のまま印刷その他の機械的又は化学的方法により文書又は図画として複製する権利(原作のまま前条第一項に規定する方式により記録媒体に記録された電磁的記録として複製する権利を含む。)
二 原作のまま前条第一項に規定する方式により記録媒体に記録された当該著作物の複製物を用いて公衆送信を行う権利
3 出版権者は、複製権等保有者の承諾を得た場合に限り、他人に対し、その出版権の目的である著作物の複製又は公衆送信を許諾することができる。
(出版の義務)
一 前条第一項第一号に掲げる権利に係る出版権者(次条において「第一号出版権者」という。) 次に掲げる義務
イ 複製権等保有者からその著作物を複製するために必要な原稿その他の原品若しくはこれに相当する物の引渡し又はその著作物に係る電磁的記録の提供を受けた日から六月以内に当該著作物について出版行為を行う義務
ロ 当該著作物について慣行に従い継続して出版行為を行う義務
二 前条第一項第二号に掲げる権利に係る出版権者(次条第一項第二号において「第二号出版権者」という。) 次に掲げる義務
イ 複製権等保有者からその著作物について公衆送信を行うために必要な原稿その他の原品若しくはこれに相当する物の引渡し又はその著作物に係る電磁的記録の提供を受けた日から六月以内に当該著作物について公衆送信行為を行う義務
ロ 当該著作物について慣行に従い継続して公衆送信行為を行う義務
(著作物の修正増減)
一 その著作物を第一号出版権者が改めて複製する場合
二 その著作物について第二号出版権者が公衆送信を行う場合
2 第一号出版権者は、その出版権の目的である著作物を改めて複製しようとするときは、その都度、あらかじめ著作者にその旨を通知しなければならない。
(出版権の存続期間)
3 複製権等保有者である著作者は、その著作物の内容が自己の確信に適合しなくなつたときは、その著作物の出版行為等を廃絶するために、出版権者に通知してその出版権を消滅させることができる。ただし、当該廃絶により出版権者に通常生ずべき損害をあらかじめ賠償しない場合は、この限りでない。
(出版権の制限)
第八十六条 第三十条第一項(第三号を除く。次項において同じ。)、第三十条の二第二項、第三十条の三、第三十一条第一項及び第三項後段、第三十二条、第三十三条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)、第三十三条の二第一項及び第四項、第三十四条第一項、第三十五条第一項、第三十六条第一項、第三十七条、第三十七条の二、第三十九条第一項、第四十条第一項及び第二項、第四十一条から第四十二条の二まで、第四十二条の三第二項並びに第四十六条から第四十七条の二までの規定は、出版権の目的となつている著作物の複製について準用する。この場合において、第三十条の二第二項、第三十条の三、第三十五条第一項、第四十二条第一項及び第四十七条の二中「著作権者」とあるのは、「出版権者」と読み替えるものとする。
3 第三十条の二第二項、第三十条の三、第三十一条第三項前段、第三十二条第一項、第三十三条の二第四項、第三十五条第二項、第三十六条第一項、第三十七条第二項及び第三項、第三十七条の二(第二号を除く。)、第四十条第一項、第四十一条、第四十二条の二、第四十二条の三第二項、第四十六条、第四十七条の二並びに第四十七条の六の規定は、出版権の目的となつている著作物の公衆送信について準用する。この場合において、第三十条の二第二項、第三十条の三、第三十五条第二項、第三十六条第一項及び第四十七条の二中「著作権者」とあるのは「出版権者」と、第四十七条の六ただし書中「著作権」とあるのは「出版権」と読み替えるものとする。
(出版権の譲渡等)
(出版権の登録)
第四章 著作隣接権
第一節 総則
(著作隣接権)
5 前各項の権利の享有には、いかなる方式の履行をも要しない。
6 第一項から第四項までの権利(実演家人格権並びに第一項及び第二項の報酬及び二次使用料を受ける権利を除く。)は、著作隣接権という。
第二節 実演家の権利
(氏名表示権)
2 実演を利用する者は、その実演家の別段の意思表示がない限り、その実演につき既に実演家が表示しているところに従つて実演家名を表示することができる。
3 実演家名の表示は、実演の利用の目的及び態様に照らし実演家がその実演の実演家であることを主張する利益を害するおそれがないと認められるとき又は公正な慣行に反しないと認められるときは、省略することができる。
4 第一項の規定は、次の各号のいずれかに該当するときは、適用しない。
一 行政機関情報公開法、独立行政法人等情報公開法又は情報公開条例の規定により行政機関の長、独立行政法人等又は地方公共団体の機関若しくは地方独立行政法人が実演を公衆に提供し、又は提示する場合において、当該実演につき既にその実演家が表示しているところに従つて実演家名を表示するとき。
(同一性保持権)
2 前項の規定は、実演の性質並びにその利用の目的及び態様に照らしやむを得ないと認められる改変又は公正な慣行に反しないと認められる改変については、適用しない。
(録音権及び録画権)
2 前項の規定は、同項に規定する権利を有する者の許諾を得て映画の著作物において録音され、又は録画された実演については、これを録音物(音を専ら影像とともに再生することを目的とするものを除く。)に録音する場合を除き、適用しない。
(放送権及び有線放送権)
2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。
一 放送される実演を有線放送する場合
二 次に掲げる実演を放送し、又は有線放送する場合
イ 前条第一項に規定する権利を有する者の許諾を得て録音され、又は録画されている実演
ロ 前条第二項の実演で同項の録音物以外の物に録音され、又は録画されているもの
(送信可能化権)
(放送のための固定)
(放送のための固定物等による放送)
一 当該許諾を得た放送事業者が前条第一項の規定により作成した録音物又は録画物を用いてする放送
二 当該許諾を得た放送事業者からその者が前条第一項の規定により作成した録音物又は録画物の提供を受けてする放送
三 当該許諾を得た放送事業者から当該許諾に係る放送番組の供給を受けてする放送(前号の放送を除く。)
(放送される実演の有線放送)
(商業用レコードの二次使用)
5 第一項の二次使用料を受ける権利は、国内において実演を業とする者の相当数を構成員とする団体(その連合体を含む。)でその同意を得て文化庁長官が指定するものがあるときは、当該団体によつてのみ行使することができる。
6 文化庁長官は、次に掲げる要件を備える団体でなければ、前項の指定をしてはならない。
一 営利を目的としないこと。
二 その構成員が任意に加入し、又は脱退することができること。
三 その構成員の議決権及び選挙権が平等であること。
四 第一項の二次使用料を受ける権利を有する者(以下この条において「権利者」という。)のためにその権利を行使する業務をみずから的確に遂行するに足りる能力を有すること。
7 第五項の団体は、権利者から申込みがあつたときは、その者のためにその権利を行使することを拒んではならない。
8 第五項の団体は、前項の申込みがあつたときは、権利者のために自己の名をもつてその権利に関する裁判上又は裁判外の行為を行う権限を有する。
13 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)の規定は、第十項の協議による定め及びこれに基づいてする行為については、適用しない。ただし、不公正な取引方法を用いる場合及び関連事業者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
(譲渡権)
2 前項の規定は、次に掲げる実演については、適用しない。
3 第一項の規定は、実演(前項各号に掲げるものを除く。以下この条において同じ。)の録音物又は録画物で次の各号のいずれかに該当するものの譲渡による場合には、適用しない。
一 第一項に規定する権利を有する者又はその許諾を得た者により公衆に譲渡された実演の録音物又は録画物
四 第一項に規定する権利を有する者又はその承諾を得た者により特定かつ少数の者に譲渡された実演の録音物又は録画物
五 国外において、第一項に規定する権利に相当する権利を害することなく、又は同項に規定する権利に相当する権利を有する者若しくはその承諾を得た者により譲渡された実演の録音物又は録画物
(貸与権等)
第三節 レコード製作者の権利
(商業用レコードの二次使用)
3 第一項の二次使用料を受ける権利は、国内において商業用レコードの製作を業とする者の相当数を構成員とする団体(その連合体を含む。)でその同意を得て文化庁長官が指定するものがあるときは、当該団体によつてのみ行使することができる。
(譲渡権)
2 前項の規定は、レコードの複製物で次の各号のいずれかに該当するものの譲渡による場合には、適用しない。
一 前項に規定する権利を有する者又はその許諾を得た者により公衆に譲渡されたレコードの複製物
四 前項に規定する権利を有する者又はその承諾を得た者により特定かつ少数の者に譲渡されたレコードの複製物
五 国外において、前項に規定する権利に相当する権利を害することなく、又は同項に規定する権利に相当する権利を有する者若しくはその承諾を得た者により譲渡されたレコードの複製物
第四節 放送事業者の権利
(再放送権及び有線放送権)
2 前項の規定は、放送を受信して有線放送を行なう者が法令の規定により行なわなければならない有線放送については、適用しない。
(送信可能化権)
2 前項の規定は、放送を受信して自動公衆送信を行う者が法令の規定により行わなければならない自動公衆送信に係る送信可能化については、適用しない。
第五節 有線放送事業者の権利
第六節 保護期間
(実演、レコード、放送又は有線放送の保護期間)
一 実演に関しては、その実演を行つた時
二 レコードに関しては、その音を最初に固定した時
三 放送に関しては、その放送を行つた時
四 有線放送に関しては、その有線放送を行つた時
2 著作隣接権の存続期間は、次に掲げる時をもつて満了する。
一 実演に関しては、その実演が行われた日の属する年の翌年から起算して五十年を経過した時
二 レコードに関しては、その発行が行われた日の属する年の翌年から起算して五十年(その音が最初に固定された日の属する年の翌年から起算して五十年を経過する時までの間に発行されなかつたときは、その音が最初に固定された日の属する年の翌年から起算して五十年)を経過した時
三 放送に関しては、その放送が行われた日の属する年の翌年から起算して五十年を経過した時
四 有線放送に関しては、その有線放送が行われた日の属する年の翌年から起算して五十年を経過した時
第七節 実演家人格権の一身専属性等
(著作隣接権の制限)
第百二条 第三十条第一項、第三十条の二から第三十二条まで、第三十五条、第三十六条、第三十七条第三項、第三十七条の二(第一号を除く。次項において同じ。)、第三十八条第二項及び第四項、第四十一条から第四十二条の四まで、第四十四条(第二項を除く。)並びに第四十七条の四から第四十七条の九までの規定は、著作隣接権の目的となつている実演、レコード、放送又は有線放送の利用について準用し、第三十条第二項及び第四十七条の十の規定は、著作隣接権の目的となつている実演又はレコードの利用について準用し、第四十四条第二項の規定は、著作隣接権の目的となつている実演、レコード又は有線放送の利用について準用する。この場合において、同条第一項中「第二十三条第一項」とあるのは「第九十二条第一項、第九十九条第一項又は第百条の三」と、同条第二項中「第二十三条第一項」とあるのは「第九十二条第一項又は第百条の三」と読み替えるものとする。
(実演家人格権との関係)
(著作隣接権の譲渡、行使等)
第百三条 第六十一条第一項の規定は著作隣接権の譲渡について、第六十二条第一項の規定は著作隣接権の消滅について、第六十三条の規定は実演、レコード、放送又は有線放送の利用の許諾について、第六十五条の規定は著作隣接権が共有に係る場合について、第六十六条の規定は著作隣接権を目的として質権が設定されている場合について、第六十七条、第六十七条の二(第一項ただし書を除く。)、第七十条(第三項及び第四項を除く。)、第七十一条から第七十三条まで並びに第七十四条第三項及び第四項の規定は著作隣接権者と連絡することができない場合における実演、レコード、放送又は有線放送の利用について、それぞれ準用する。この場合において、第六十三条第五項中「第二十三条第一項」とあるのは「第九十二条の二第一項、第九十六条の二、第九十九条の二第一項又は第百条の四」と、第七十条第五項中「前項」とあるのは「第百三条において準用する第六十七条第一項」と読み替えるものとする。
第五章 私的録音録画補償金
(私的録音録画補償金を受ける権利の行使)
第百四条の二 第三十条第二項(第百二条第一項において準用する場合を含む。以下この章において同じ。)の補償金(以下この章において「私的録音録画補償金」という。)を受ける権利は、私的録音録画補償金を受ける権利を有する者(以下この章において「権利者」という。)のためにその権利を行使することを目的とする団体であつて、次に掲げる私的録音録画補償金の区分ごとに全国を通じて一個に限りその同意を得て文化庁長官が指定するもの(以下この章において「指定管理団体」という。)があるときは、それぞれ当該指定管理団体によつてのみ行使することができる。
一 私的使用を目的として行われる録音(専ら録画とともに行われるものを除く。以下この章において「私的録音」という。)に係る私的録音録画補償金
二 私的使用を目的として行われる録画(専ら録音とともに行われるものを含む。以下この章において「私的録画」という。)に係る私的録音録画補償金
2 前項の規定による指定がされた場合には、指定管理団体は、権利者のために自己の名をもつて私的録音録画補償金を受ける権利に関する裁判上又は裁判外の行為を行う権限を有する。
(指定の基準)
一 一般社団法人であること。
二 前条第一項第一号に掲げる私的録音録画補償金に係る場合についてはイ、ハ及びニに掲げる団体を、同項第二号に掲げる私的録音録画補償金に係る場合についてはロからニまでに掲げる団体を構成員とすること。
ハ 国内において実演を業とする者の相当数を構成員とする団体(その連合体を含む。)
ニ 国内において商業用レコードの製作を業とする者の相当数を構成員とする団体(その連合体を含む。)
三 前号イからニまでに掲げる団体がそれぞれ次に掲げる要件を備えるものであること。
イ 営利を目的としないこと。
ロ その構成員が任意に加入し、又は脱退することができること。
ハ その構成員の議決権及び選挙権が平等であること。
(私的録音録画補償金の支払の特例)
2 前項の規定により私的録音録画補償金を支払つた者は、指定管理団体に対し、その支払に係る特定機器又は特定記録媒体を専ら私的録音及び私的録画以外の用に供することを証明して、当該私的録音録画補償金の返還を請求することができる。
(製造業者等の協力義務)
(私的録音録画補償金の額)
5 文化庁長官は、第一項の認可をしようとするときは、文化審議会に諮問しなければならない。
(補償金関係業務の執行に関する規程)
(著作権等の保護に関する事業等のための支出)
2 文化庁長官は、前項の政令の制定又は改正の立案をしようとするときは、文化審議会に諮問しなければならない。
3 文化庁長官は、第一項の事業に係る業務の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、指定管理団体に対し、当該業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
(報告の徴収等)
第六章 紛争処理
(著作権紛争解決あつせん委員)
2 委員は、文化庁長官が、著作権又は著作隣接権に係る事項に関し学識経験を有する者のうちから、事件ごとに三人以内を委嘱する。
(あつせんへの付託)
(あつせん)
2 委員は、事件が解決される見込みがないと認めるときは、あつせんを打ち切ることができる。
(報告等)
2 委員は、前条の規定によりあつせんを打ち切つたときは、その旨及びあつせんを打ち切ることとした理由を、当事者に通知するとともに文化庁長官に報告しなければならない。
第七章 権利侵害
(差止請求権)
第百十二条 著作者、著作権者、出版権者、実演家又は著作隣接権者は、その著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。
(侵害とみなす行為)
一 国内において頒布する目的をもつて、輸入の時において国内で作成したとしたならば著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権の侵害となるべき行為によつて作成された物を輸入する行為
二 著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権を侵害する行為によつて作成された物(前号の輸入に係る物を含む。)を、情を知つて、頒布し、頒布の目的をもつて所持し、若しくは頒布する旨の申出をし、又は業として輸出し、若しくは業としての輸出の目的をもつて所持する行為
3 次に掲げる行為は、当該権利管理情報に係る著作者人格権、著作権、実演家人格権又は著作隣接権を侵害する行為とみなす。
一 権利管理情報として虚偽の情報を故意に付加する行為
二 権利管理情報を故意に除去し、又は改変する行為(記録又は送信の方式の変換に伴う技術的な制約による場合その他の著作物又は実演等の利用の目的及び態様に照らしやむを得ないと認められる場合を除く。)
三 前二号の行為が行われた著作物若しくは実演等の複製物を、情を知つて、頒布し、若しくは頒布の目的をもつて輸入し、若しくは所持し、又は当該著作物若しくは実演等を情を知つて公衆送信し、若しくは送信可能化する行為
5 国内において頒布することを目的とする商業用レコード(以下この項において「国内頒布目的商業用レコード」という。)を自ら発行し、又は他の者に発行させている著作権者又は著作隣接権者が、当該国内頒布目的商業用レコードと同一の商業用レコードであつて、専ら国外において頒布することを目的とするもの(以下この項において「国外頒布目的商業用レコード」という。)を国外において自ら発行し、又は他の者に発行させている場合において、情を知つて、当該国外頒布目的商業用レコードを国内において頒布する目的をもつて輸入する行為又は当該国外頒布目的商業用レコードを国内において頒布し、若しくは国内において頒布する目的をもつて所持する行為は、当該国外頒布目的商業用レコードが国内で頒布されることにより当該国内頒布目的商業用レコードの発行により当該著作権者又は著作隣接権者の得ることが見込まれる利益が不当に害されることとなる場合に限り、それらの著作権又は著作隣接権を侵害する行為とみなす。ただし、国内において最初に発行された日から起算して七年を超えない範囲内において政令で定める期間を経過した国内頒布目的商業用レコードと同一の国外頒布目的商業用レコードを輸入する行為又は当該国外頒布目的商業用レコードを国内において頒布し、若しくは国内において頒布する目的をもつて所持する行為については、この限りでない。
6 著作者の名誉又は声望を害する方法によりその著作物を利用する行為は、その著作者人格権を侵害する行為とみなす。
(善意者に係る譲渡権の特例)
第百十三条の二 著作物の原作品若しくは複製物(映画の著作物の複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を含む。)を除く。以下この条において同じ。)、実演の録音物若しくは録画物又はレコードの複製物の譲渡を受けた時において、当該著作物の原作品若しくは複製物、実演の録音物若しくは録画物又はレコードの複製物がそれぞれ第二十六条の二第二項各号、第九十五条の二第三項各号又は第九十七条の二第二項各号のいずれにも該当しないものであることを知らず、かつ、知らないことにつき過失がない者が当該著作物の原作品若しくは複製物、実演の録音物若しくは録画物又はレコードの複製物を公衆に譲渡する行為は、第二十六条の二第一項、第九十五条の二第一項又は第九十七条の二第一項に規定する権利を侵害する行為でないものとみなす。
(損害の額の推定等)
第百十四条 著作権者、出版権者又は著作隣接権者(以下この項において「著作権者等」という。)が故意又は過失により自己の著作権、出版権又は著作隣接権を侵害した者に対しその侵害により自己が受けた損害の賠償を請求する場合において、その者がその侵害の行為によつて作成された物を譲渡し、又はその侵害の行為を組成する公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。)を行つたときは、その譲渡した物の数量又はその公衆送信が公衆によつて受信されることにより作成された著作物若しくは実演等の複製物(以下この項において「受信複製物」という。)の数量(以下この項において「譲渡等数量」という。)に、著作権者等がその侵害の行為がなければ販売することができた物(受信複製物を含む。)の単位数量当たりの利益の額を乗じて得た額を、著作権者等の当該物に係る販売その他の行為を行う能力に応じた額を超えない限度において、著作権者等が受けた損害の額とすることができる。ただし、譲渡等数量の全部又は一部に相当する数量を著作権者等が販売することができないとする事情があるときは、当該事情に相当する数量に応じた額を控除するものとする。
2 著作権者、出版権者又は著作隣接権者が故意又は過失によりその著作権、出版権又は著作隣接権を侵害した者に対しその侵害により自己が受けた損害の賠償を請求する場合において、その者がその侵害の行為により利益を受けているときは、その利益の額は、当該著作権者、出版権者又は著作隣接権者が受けた損害の額と推定する。
3 著作権者、出版権者又は著作隣接権者は、故意又は過失によりその著作権、出版権又は著作隣接権を侵害した者に対し、その著作権、出版権又は著作隣接権の行使につき受けるべき金銭の額に相当する額を自己が受けた損害の額として、その賠償を請求することができる。
(具体的態様の明示義務)
(書類の提出等)
2 裁判所は、前項ただし書に規定する正当な理由があるかどうかの判断をするため必要があると認めるときは、書類の所持者にその提示をさせることができる。この場合においては、何人も、その提示された書類の開示を求めることができない。
4 前三項の規定は、著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権の侵害に係る訴訟における当該侵害の行為について立証するため必要な検証の目的の提示について準用する。
(鑑定人に対する当事者の説明義務)
(相当な損害額の認定)
第百十四条の五 著作権、出版権又は著作隣接権の侵害に係る訴訟において、損害が生じたことが認められる場合において、損害額を立証するために必要な事実を立証することが当該事実の性質上極めて困難であるときは、裁判所は、口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果に基づき、相当な損害額を認定することができる。
第百十四条の六 裁判所は、著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権の侵害に係る訴訟において、その当事者が保有する営業秘密(不正競争防止法(平成五年法律第四十七号)第二条第六項に規定する営業秘密をいう。以下同じ。)について、次に掲げる事由のいずれにも該当することにつき疎明があつた場合には、当事者の申立てにより、決定で、当事者等、訴訟代理人又は補佐人に対し、当該営業秘密を当該訴訟の追行の目的以外の目的で使用し、又は当該営業秘密に係るこの項の規定による命令を受けた者以外の者に開示してはならない旨を命ずることができる。ただし、その申立ての時までに当事者等、訴訟代理人又は補佐人が第一号に規定する準備書面の閲読又は同号に規定する証拠の取調べ若しくは開示以外の方法により当該営業秘密を取得し、又は保有していた場合は、この限りでない。
三 前項各号に掲げる事由に該当する事実
(名誉回復等の措置)
第百十五条 著作者又は実演家は、故意又は過失によりその著作者人格権又は実演家人格権を侵害した者に対し、損害の賠償に代えて、又は損害の賠償とともに、著作者又は実演家であることを確保し、又は訂正その他著作者若しくは実演家の名誉若しくは声望を回復するために適当な措置を請求することができる。
(著作者又は実演家の死後における人格的利益の保護のための措置)
2 前項の請求をすることができる遺族の順位は、同項に規定する順序とする。ただし、著作者又は実演家が遺言によりその順位を別に定めた場合は、その順序とする。
(共同著作物等の権利侵害)
2 前項の規定は、共有に係る著作権又は著作隣接権の侵害について準用する。
第八章 罰則
第百十九条 著作権、出版権又は著作隣接権を侵害した者(第三十条第一項(第百二条第一項において準用する場合を含む。第三項において同じ。)に定める私的使用の目的をもつて自ら著作物若しくは実演等の複製を行つた者、第百十三条第三項の規定により著作権若しくは著作隣接権(同条第四項の規定により著作隣接権とみなされる権利を含む。第百二十条の二第三号において同じ。)を侵害する行為とみなされる行為を行つた者、第百十三条第五項の規定により著作権若しくは著作隣接権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者又は次項第三号若しくは第四号に掲げる者を除く。)は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2 次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
3 第三十条第一項に定める私的使用の目的をもつて、有償著作物等(録音され、又は録画された著作物又は実演等(著作権又は著作隣接権の目的となつているものに限る。)であつて、有償で公衆に提供され、又は提示されているもの(その提供又は提示が著作権又は著作隣接権を侵害しないものに限る。)をいう。)の著作権又は著作隣接権を侵害する自動公衆送信(国外で行われる自動公衆送信であつて、国内で行われたとしたならば著作権又は著作隣接権の侵害となるべきものを含む。)を受信して行うデジタル方式の録音又は録画を、自らその事実を知りながら行つて著作権又は著作隣接権を侵害した者は、二年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 技術的保護手段の回避を行うことをその機能とする装置(当該装置の部品一式であつて容易に組み立てることができるものを含む。)若しくは技術的保護手段の回避を行うことをその機能とするプログラムの複製物を公衆に譲渡し、若しくは貸与し、公衆への譲渡若しくは貸与の目的をもつて製造し、輸入し、若しくは所持し、若しくは公衆の使用に供し、又は当該プログラムを公衆送信し、若しくは送信可能化する行為(当該装置又は当該プログラムが当該機能以外の機能を併せて有する場合にあつては、著作権等を侵害する行為を技術的保護手段の回避により可能とする用途に供するために行うものに限る。)をした者
二 業として公衆からの求めに応じて技術的保護手段の回避を行つた者
第百二十四条 法人の代表者(法人格を有しない社団又は財団の管理人を含む。)又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
2 法人格を有しない社団又は財団について前項の規定の適用がある場合には、その代表者又は管理人がその訴訟行為につきその社団又は財団を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。
3 第一項の場合において、当該行為者に対してした告訴又は告訴の取消しは、その法人又は人に対しても効力を生じ、その法人又は人に対してした告訴又は告訴の取消しは、当該行為者に対しても効力を生ずるものとする。